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株式会社スキノス

百瀬 英哉代表取締役

センサーを手指などに貼り付け汗の量をを測定する「発汗計」の開発と販売・サポートなどを行っている株式会社スキノス。その技術は特徴的で、世界でもあまり例がない取り組みは大変注目されています。自らも技術者である社長の百瀬さんにお聞かせいただいた事業への想いや夢をご紹介します。

エンジニアからの出発

エンジニアからの出発

 この発汗計は、信州大学医学部の大橋教授と長野工業高等専門学校(以下、長野高専)の坂口教授が開発されたものです。私は学生時代から長野高専の研究室で坂口教授のご指導のもとでその設計や研究に携わっていました。私自身はエンジニアなので、最初は“おもしろい技術だな”というところから入り、この機器が売れるかどうかということは正直あまり考えていませんでした。しかし、長く研究と開発を継続していく中で、この技術がいろいろな企業や大学の先生方に注目され、需要がある技術だということを実感して会社を立ち上げることとなりました。
 もともとエンジニアである私は、販路開拓のノウハウなどを持ち合わせていなかったので、『独立行政法人中小企業基盤整備機構』で行っている「販路開拓コーディネート事業」を通じて専門家の支援を受けました。この支援を受けることで、当社の発汗計に興味を持ってくださる企業の担当者や研究者の方とのマッチングが実現し、そこから顧客視点に基づく新たなニーズなどを把握することができ、発汗計の普及や次なる開発へとつながっています。

発汗という生体情報の可能性

発汗という生体情報の可能性
発汗という生体情報の可能性

 当社の発汗計は、独自の技術で汗の量を定量的にかつ高感度・高精度で測ることのできる唯一の機器です。暑い時にかく汗も、ストレスによる汗も、自覚できない目に見えない細かな汗を可視化できるため、「快適性の数値化」というところで利用されています。最近では、速乾性の高い衣服や、冷暖房の効率化など各メーカー社の製品開発の場面で、その製品の性能評価のために使用されることが増えてきています。
 また、多汗症や神経疾患により汗が出なくなる病気などの評価ができるこの発汗計は医療機器として臨床現場でも注目され、広く使われています。「手に汗握る」という言葉があるように、「汗」は心の状態も測ることができます。今後は、医学的な根拠に基づき精神疾患の診断などの助けにつながるような機器の発展ができればと思っています。
 他にも、運動中の発汗を測定することで運動強度を上げることにつながったり、多量の汗をかいたら水分補給を促すアラートを出すなど熱中症の予防などに活用したり、発汗という生体情報の利用の可能性はまだまだ広げていくことができると考えています。
 今はこの機器をさらに小型なものにする技術開発を進めていて、今後それをどのようなマーケットに持っていけるかということを検討しているところです。

世の中のニーズに合わせて さらなる進歩を

世の中のニーズに合わせて さらなる進歩を

 これから先、“健康情報”という形で生体の情報が多方面で扱われる時代になっていくのは間違いないと思います。世の中の人が一般的に想像する「心拍」や「脳波」と同様に、今後は「発汗」というものが生体情報として広く認識され扱われるようになってほしいと思っています。当社がその一翼を担っていく、そのために積極的に活動していきたいと思います。
 心と身体の健康状態を測ることができる「汗」。その特性を生かして、世の中のさまざまなニーズに合わせたものを作り、提供していきたいという“想い”を叶えるために、さらなる技術開発を進めていきたいと考えています。

会社名 株式会社スキノス
所在地 〒386-0017 長野県上田市踏入二丁目16番24号 信州大学オープンイノベーションセンター107号室
HP http://www.skinos.co.jp
事業内容 生体計測機器等の開発・販売、医療機器・福祉機器等の開発
外観 店舗外観
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