下平 寛司代表

　幼少期から自分も太っていて、体重が120㎏ほどあり、色々なダイエットを試しては失敗を繰り返していました。また、トレーナーを頼ってジムに通ってもいました。ある時、食べたいものがあると相談したところ「ダイエットなんだから食べてはダメ」と言われてしまいました。トレーナーさんは運動が好きでダイエットの経験が無い方が多く、太っている人の気持ちがわかってもらえないことも多いです。この時の悔しい思いから自分がトレーナーになろうと決意しました。
　ありとあらゆるダイエット方法を試していたので、僕ほどダイエットの失敗経験のあるトレーナーはいないと思います。今では、あえて太って、新しいダイエット方法を試したうえでお客さまに提案できるか自分で実験しています。
　このジムの名前「HERO（ヒーロー）」は、自分の名前が「ひろし」で「ヒロ」とよく呼ばれることや過去に自分自身が太っていて「ヒーロー」のようなかっこいい人にあこがれていたこと、皆さんも自分だけのヒーローになれますよとのメッセージも込めて名前を付けました。

　ここは、パーソナルトレーニングジムです。トレーナーが専属でついて、一人ひとりに合ったプランを組んで、体を動かすことやダイエット、ボディメイクの楽しさが伝わるよう、丁寧にトレーニングを指導しています。
　指導は、結果にこだわりすぎて、お客さまにとって苦痛な時間にならないために、お客さまの求める結果やレベルなどに合わせるようにしています。また、パーソナルトレーナーは、体重の推移や食事やお仕事の内容をお聞きするため、信頼関係が大切になります。お互いの信頼関係を築くために、コミュニケーションも大事にしています。
　一人でトレーニングすることとの違いは、指導です。例えば重りを使う場合に、重りを動かすことに気を取られると、全身が連動して動いてしまうため、疲労はするけれど効果的ではなくなっています。自分がその動作を何のためにしているのか、解剖学の話もしながらご理解いただくようにしています。そうすることで動き自体も変わってきます。また、過去の運動経験によって使いやすい筋肉を使うクセやトレーニング経験がある方でも体の使い方にクセがあります。これを見させていただき、より効率的・効果的なトレーニングとなるように指導させていただいています。
　今の時代、インターネット動画で見てトレーニングはできますが、その人の骨格やクセを知らず、合わないトレーニングをした結果、腰痛などのけがの元になったり、効果が出なかったりします。効果的なトレーニングやけが防止のためにも、プロの指導が必要になると思います。
　食事面も指導しています。カロリー数やタンパク質、脂質の量などを伝えてもなかなかわからないので、今食べているものを写真で撮ってラインで送ってもらい、その内容だと何キロカロリーで、何が足りていないのかなどを見させていただいています。そのうえで、「この食材をこれに代えてみましょうか」や「この料理の調理方法をこう変えてみましょう」といった具体例で改善点を提案しています。また、食事制限といった形でなく、ライフスタイルを変えずにできる方法で提案しています。例えば、コンビニをよく使う方には、コンビニで買えるものを、朝ご飯を食べない人には食べないでよい内容を提案しています。また、食材を提案するときには、その理由を説明するようにしています。理由を知ることはとても大切で、自分でメニューや食材を選択できるようになり、幅が広がります。こういった指導で、ダイエットやトレーニングに合った食事内容を自分で継続していけるようになり、リバウンドの防止などに繋がります。
　トレーナーに言われた通りにトレーニングすると結果はでます。トレーニング方法や食事方法を知ってもらう、勉強してもらうことで、自分でアフターケアやリバウンドへの対応ができるようになります。

　お客さまの結果が出ることはもちろんですが、「考え方が変わりました。」といった言葉がうれしいです。食事制限をしているから、子供の誕生日に一緒にケーキを食べられなかったといった方が指導を受けた結果、同じものを食べながらトレーニングができるといった喜びを伝えていただいたこともあります。また、トレーニングが嫌いだった方が「最近、ジムが楽しみなんですよ」と言ってもらえたこともうれしかったですね。
　自分がトレーナーになって、僕みたいに悩んでいる人が少しでもよくなっていく過程を見ていける今がまさに夢を作っているところです。この先、下伊那地区の人達に「パーソナルトレーニング」やトレーニングの楽しさを知ってもらいたいですね。また、食べ物に興味を持ってもらいたいです。ただ食事をするのではなくて、それが何からできていて、体のどこに行くのかといったことを意識する人が増えていくといいなとも思います。