原点は祖父の介護
小さい時、私の祖父が寝たきりになって、家族全員での介護を経験しました。小学校3年生の時に祖父が施設に入り、次第に祖父の中で私の記憶が薄れていくことに、幼心に悲しい思いをしました。5年生の時に他界しましたが、もっと何かしてあげられることがあったのではと考え、福祉の道を志しました。
福祉といえば施設を建ててサービスを行うという考え方が一般的ですが、私はお金や人脈がない中でどんなことができるだろうと考え、実際に施設にお伺いしてお困りのことがないか聞いてみると、毛染めをしたい、パーマをかけたいという利用者様がいるがそういったサービスがなくて諦めているというお話をいただき、これだと思いました。
気持ちを理解したサービスを
私たちのお客様には、施設様とご家族様、利用者様のお三方がいらっしゃって、施設の方が介護しやすい髪型やご家族の要望もあったりするので、それを踏まえて理美容のサービスを行っています。
普通の美容室であれば、自分で髪型を選べたり、自己表現ができますよね。でも、施設に入っている方には、体調が悪かったり、認知症だったりと様々な方がいらっしゃいますので、そういった方の気持ちを理解してデザインをつくるということを大切にしています。
制約のある中でも、しっかりとしたサービスをすれば利用者様にも喜んでいただけると思っています。心待ちにされている利用者様がおられて、玄関までお出迎え、お見送りをいただいたりするのは嬉しいですね。
訪問デパートを始めました
理美容サービスで利用者様の声を身近に聞く中で、「お洋服を自分で選んでみたい」「施設の中でお買い物を体験してみたい」という声がありまして、そのことを施設の職員の方にお話ししたところ、是非やってほしい、ご家族からもサイズや好みの関係で選ぶのが難しいと相談されるとのことで、訪問デパートのサービスを始めました。
用意する衣料品は2,000アイテム。種類やサイズを幅広く取りそろえると同時に、洗濯に強い素材やお名前を書けるタグを用意するなど気を配っています。
「福祉関連サービス業」
現在行っている理美容サービスや訪問デパートも私は福祉の仕事だと思っていて、単なる理美容サービス、小売業とは考えていません。言うなれば「福祉関連サービス業」でしょうか。施設の中で、ご自宅の中でまだまだ困っている方がたくさんいらっしゃるので、それを解決するための手段として、未開拓の分野も含めてこういう仕事が増えていかなければいけないと思っています。
祖父の介護で、家族も大変な思いをしましたが、もっと辛い思いをしたのは祖父だと思いますし、祖父に対してもっと何かしたかった。悲しむ人をなくしていきたい、そういう人たちのために助けられることはないかと、今も常に考えています。
その人らしい人生をつくるお手伝いを
体が不自由な方、外出が困難な方のための「環境をつくる」「(その人)“らしく”をつくる」「楽しみをつくる」を理念として、それぞれの理念に対して色んな手段を講じてこの会社を運営していきたいです。
その人らしい人生を、その人らしく生きてほしい。これは全ての事業に共通して言えることだと思います。
利用者様本位で考えていますが、まずは施設様の手助けになるようなサービスを考えていきたいです。施設の方のご協力があってやっていける事業だと思いますので、私たちだけが運営しているのではないということを心掛けて、感謝の気持ちを忘れずに、事業を続けていきたいです。
笑顔でいっぱいの世の中に
この仕事をしていると常に発見があるのですが、それを事業として仕組み化していくのが私の役目だと思っています。
理美容や衣料品は、日常生活の中でも必要ですが、イベント的な要素があって、施設の中で暮らしていくにあたっての楽しみの一つともいえます。私たちだけでなく、施設に出入りする方やボランティアの方に繋げられるような仕組みを作って、そういった方が広く活躍できる世の中にしていきたい。
施設に入っている利用者様、施設で働いている職員の方、ご家族様を笑顔に。笑顔でいっぱいにしたいです。
社名 | 株式会社ウェルケアビューティー |
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所在地 | 〒380-0026 長野県長野市松岡2丁目4-21 201号 TEL :026-222-4138 FAX:050-3730-8204 http://kamiya-nagano.jp/ |
代表者 | 中澤 富晃 |
開業 | 平成25年8月 |
事業内容 | 訪問理美容、訪問デパート、訪問マッサージ |
本社外観 |