日本の伝統的なモノを現代の文脈に寄り添い、蘇らせる
KOJIMAYAは、モダンコンテクスト(現代文脈)を意識した木工製品のデザイン・制作工房です。日本の伝統や美学をベースに、現代の新しさや感覚を取り入れた製品を作っています。古風であるだけでは人には受け入れられません。機能を突き詰めていくと、形・モノの形態は決まります。さらに細かい部分、ディティールには、細心の注意を払います。木の製品が感じさせる「和み」と、デザインが感じさせる「遊び心」、これら二つの要素が混じり合って新たな価値を創造していると考えます。
当社では3つのブランドを展開しています。①「KOJIMAYA standard」②「HITOMI」③「KOZO」です。それぞれにコンセプトがあり、提案する製品は異なります。素材となる木自体もそうですが、無垢・合板など製品に用いるものは多種多様です。これらを一緒に提供すると、客観的に見たときに製品や素材の良さが伝わりづらく曖昧になってしまいます。この曖昧さを避けるために、商品や素材の毛色によってブランドを分けました。
例えば、女性向けに展開する「HITOMI」というブランドは「-Recovering The Life-」をコンセプトに、日々の生活をほんの少し潤すような道具を取扱います。使い勝手がよく、一見して継ぎ目のない滑らかな肌触りが特徴の製品は、化粧箱も淡いピンク色で揃えております。
一方で、男らしい武骨なイメージでブランド展開する「KOZO」シリーズは、合板を採用した製品を主に扱います。合板でしかできない構造があり、力強さを兼ね備えた製品が特長です。
各ブランドで共通することは、「日本美」を宿している、ということです。概念や考え方もそうですが、技術的に手加工でしか出せない味わいや雰囲気を大切にしています。例えば、丸脚を鉋(かんな)で仕上げることで、敢えて手加工の跡を残したりします。多面体になることで手に馴染んで握りやすく、使いやすさが生まれます。
木造りへの想い、そして地域や地球全体への意識
何かの職人になりたいという気持ちが10代の頃からあり、自分にはそれが木工でした。ある日、旅行先で見た漆の木工品に衝撃を受け(目が届かない箇所まで丁寧に細工が施されていました)、社会人向けのスクールや職業訓練校でデザイン、無垢材技術、漆の知識を習得しました。
木工の何が好きか考えたときに、とても単純なことですが、頭の中で考えたものが目の前で実際の形になってできあがること、これが楽しく面白いのです。造作が複雑で、構造上の難所になるような工程に差し掛かった時、とても緊張し興奮します。これを乗り越えた時、強い達成感を得ることができます。
当社がデザイン・制作する際に意識していることは、社会全体で見たときに意味のないことや、地球や人体に悪影響がありそうなことはなるべくしない、ということです。“KOJIMAYA WAY”というブランドステートメントとして、「地球に悪影響があると思われるものは合法でも最小限に抑える」としています。地球で生きている物のマナーとして、地球に害のあるものは、なるべく使いたくないと思います。
また、なるべく地域の木や長野県産の木を使うことを意識しています。自分の中で地産地消という考え方は根底にある想いで、自然なことのように感じます。かっこいい言い方だとSDGsですが、わざわざ化石燃料を燃やして日本の反対側の木を安く仕入れることは本質的に理解できません。ただし、オーダーメイドでは、お客様が海外のその地域にしかない材種を希望されれば仕入れます。
KOJIMAYAの存在理由、目指す境地
これからも、日本美を宿した製品をデザイン・製作しそれをひとつでも多く産み出すことを続けていきたいです。その製品が、お客様の生活をより豊かにするとともに、お客様のかけがえのない時間に寄り添えることが喜びです。自分はその中でも特に、ダイニングテーブルには特別な価値があると考えます。家族のそれぞれのライフステージによって一緒にいられる時間はいずれ減ってしまいますが、家族揃って食事を囲む時間は貴重だと思うので、そのかけがえのない時間を過ごす団欒の場に、KOJIMAYAの製品が寄り添えたら嬉しいです。
企業名 | 合同会社 小島屋 |
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所在地(工房) | 〒399-4602 長野県上伊那郡箕輪町東箕輪724 |
HP | https://kojimaya.work |
事業内容 | 家具・装備品製造業 |
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