下形　飛鳥代表

子供の頃は、例えばサッカー選手になりたいとか、誰しもそんな風に漠然と考えたことがあると思います。僕にとってはそれが美容師でした。小学校高学年の頃に初めて美容院に行かせてもらったのですが、その時に出会った美容師さんがすごく素敵な方だったんです。実はその美容院に行く前に、別の所で失敗されて変な髪形に切られてしまいまして。そんな気持ちが沈んだ状態で美容室に行ったわけですが、その時に美容師さんに「かっこよくしてあげるからね」とさらっと言ってもらえたのが印象的でしたね。実際に終わった後の仕上がりも本当によかったので「かっけえなあ」と子供ながらに強い憧れを持ちました。結果としてその時から気持ちがブレることはなく、こうして美容師になることができました。
「なにか1つのキッカケとなってほしい」、これは当店のテーマであり理念です。ちょっと髪を切ったり、染めたりすることで、服を選ぶのが楽しくなったり、行ったことのないところへも行ってみたくなったり。
そんなちょっとしたことに繋がる勇気や、挑戦したいことが増えるなど、そうしたなにか1つのキッカケになってくれればいいなと思います。お客さまとは小一時間以上も一緒にいますので、その方の人生の背景や人となりも見えてきます。そこに寄り添っていくことができる美容師でありたいです。

店名のairo（アイロ）は、日本語の「文色（あいろ）」が由来となっています。店名は日本語から取りたいと思って辞書を開き探してみたのですが、はじめはなかなかいい言葉が見つかりませんでした。そこで、僕が7月生まれということもあり、７Pをじっくり見てみようとしたところ、そこにメッセージ性もあっていいなと感じたのが文色という言葉でした。文色には、模様や彩りといった意味があります。この店はヘアだけでなくイベントなども通してお客さまと交流できるところにしたいと思っていました。そこで、「いろんな模様になっていきたい」といった想いを込めて店名は「airo」としました。

当店は美容室ですが、まつ毛や眉毛の施術も可能なことが特徴的です。特に女性の方だとヘアだけでなくまつ毛や眉毛も含めてトータルで終わらせたいご要望をお持ちの方が多くいらっしゃいます。当店は１日でこれらの全てに対応できますし、使用する薬剤についてもダメージレスな優しい薬を使うように配慮しているので安心してご利用いただけます。
また、当店はシャンプーやまつ毛などの施術で担当者が変わるといったことがなく、仕上がりまでマンツーマンで対応させていただいています。僕を含めてスタッフは３名いますが、これは全員に共通している点です。僕自身もスタイリストやアシスタントが途中で変わるということに若干抵抗があり、美容室に行ったときには最後まで全部やってほしいと思っていました。マンツーマンのスタイルだと、お客さまとコミュニケーションを深められますし、要望をくみ取ってお客さまに寄り添った対応もしやすくなります。
技術力が高いということは大前提として重要ではありますが、人間性というものも個人的に大事な部分だと思っています。コミュニケーションを大切にすることで、お客さまから様々な相談をいただき、その背中を押すお手伝いができることもあるからです。来月になると2周年を迎えますが、新しいことに挑戦するきっかけになったと言ってくれるお客さまが多くいらっしゃいます。これは髪を切るだけでなくお客さまに寄り添った対話ができたからこそのことだと思います。大きなやりがいを感じられるので、本当に美容師になってよかったです。

当店では、長野市や佐久市など近隣のお菓子屋さんや眼鏡屋さんなど異業種のお店ともコラボして商品を置かせてもらっています。お客さまにとってひとつのスパイスになっていますが、美容室としてはなかなか珍しい取り組みかと思います。こうした取り組みをしているのは、僕自身が飽き性とまでは言いませんが、型にはまらずにいろいろと楽しいことを追いかけていきたいと考えているからです。半分冗談ですが、僕はドーナツが好きなので、いつかairoオリジナルドーナツを作ってお客さまにも食べてもらいたいですね(笑)
お客さまに飽きられたくないですし、自分自身にも飽きたくない。よく聞く言葉かもしれませんが、かわらないためにかわり続けたいです。美容師はデザインする仕事ですし、これからも新しいものを発信し続け、そうするなかで、お客さまと一緒に年をとっていけるサロンにしたいです。