菅谷　泰史代表

皆さん自転車に乗ったことのない方は少ないと思います。誰もが自転車を初めて買ってもらった時や、自転車に初めて乗れるようになった時などのワクワクした思い出があると思います。大人になっても、そういう気持ちになってもらいたい、遊び心を持ってもらいたいので、楽しく乗れる自転車を提供したい、と思って営業しています。
当店の商品の中で目立つところではタイヤが太いファットバイクという自転車があります。タイヤが太くて空気圧が低いので、段差に強く、元々は雪道や砂利道でも走れるものですが、普段乗りとして使っていただけます。見た目がかっこいいので、こういう自転車だったらちょっと乗ってみたいなという方向けです。
中高生向けはクロスバイクです。カゴの無いものや泥除けがないものがいい、という学生さんが多いです。 あとは、電動アシスト自転車です。この辺りは坂が多く、坂がないところでも普通の自転車は走り出しが重いのですが、それがスーっと進むので、今までは自転車ではきつい、と思っていたようなところや距離があっても、電動アシスト自転車だったら意外に行けてしまいます。今は一回の充電で1000キロ位走れるものも出ていますし、高齢の方でも使いやすいモデルもあります。
その他、子供用自転車やマウンテンバイク、いわゆるママチャリなど、用途に合わせて選んでいただける品揃えとなっています。
各々生活スタイルがあるので、用途をしっかりお伺いして、それに合う自転車を勧めたいと思っています。用途に合っていない自転車や、体形に合っていない自転車、見た目だけで選んでしまった自転車などは、結局乗りにくいから乗らないということになってしまうので、楽しく毎日乗っていただける、ということを心掛けています。
自転車は、歩いたり走ったりするより、遠くに行けたり、自分の力で行ける、というのが魅力ですので、メンテナンスやアフターケアに不便を感じて、結局乗らなくなってしまうのではなく、快適に乗っていただけるようにサポートしていきたいと思います。

私の父がもともと競輪選手だったので、小さい頃から自転車自体が身近にある環境で育っており、父と一緒に自転車屋に行ったり、サイクリングなどにも連れて行ってもらったりしていました。私も一度はプロの競輪選手を目指したのですが、その夢は諦め、いずれは父といっしょに自転車屋をやりたいと、自転車店に就職して、その後独立しました。
現在、東京で3店舗営業をしていますが、プロを目指していた頃に飯田で練習をしていた時期があり、また私の妻の実家が飯田で、当地にはなじみがあったので、東京で独立した時には、いずれは飯田でもお店をやりたいと想っていました。
お店の名前の「パーシモン」とは、英語で「柿」という意味です。独立の際にサポートしてくれた義父が「市田柿」を作っていたので、感謝の意味も込めてこの名前にしました。そして、念願叶って、去年こちらで開店しました。
　飯田では自転車の国際レース「ツアー・オブ・ジャパン」が行われたりして、スポーツ自転車に興味のある方が多い地域です。一方で、お父さんお母さん世代含めて、自転車に乗る方がいない、自転車文化が少ない場所だと思っていましたが、予想以上にお子さんとか学生さんを中心にご利用いただいています。取扱メーカーに関しても、東京のお店で扱っているメーカー様などの協力により、飯田ではなかなか手に入らないようなメーカーの自転車も東京の店経由で販売が出来るので、こういう自転車を買うところがなかったとか、こんな自転車があるんだ、と言っていただくことも多いです、これが当店の強みであり、すごくよかったと思っています。

自転車の魅力は、老若男女問わず、誰でも気楽に乗れる乗り物ということです。自分で漕いで走る乗り物なので、大変なこともありますが、その分達成感を感じたりします。大人になると車がメインになってしまい、自転車に乗らなくなってしまう方が多いですが、昔は乗っているだけで楽しかったり、目的もなくただ走ってどこかへ行ってみようとした時期があったと思います。飯田でお店を開くという夢が一つ叶ったところですが、これからの夢は、大人になってもそういう遊び心というかワクワクする気持ちを思い出して、お父さんお母さん世代、おじいちゃんおばあちゃん世代も含めて、ちょっとの距離だったら子供と一緒に公園に行ってみようとか、買い物に行ってみようとか、サイクリングしてみようとか、自転車自体に興味を持って、自転車に乗る機会を増やしていただきたいと思っています。
お子さん向けのキックバイクの試乗会や、電動アシスト自転車の試乗会など、自治体などで開催されるイベントに参加させていただくことで、自転車の良さを実感していただき、自転車の魅力をもっと多くの人に広げていきたいです。そして自転車文化をしっかり定着させたいと思っています。
長く自転車屋をやっているので、最初お母さんと一緒に乗っていた小さい子が、子供用の自転車に変わって、学生になって大人の自転車になってという、ちょっとずつ成長してゆく過程を見る機会があり、それはすごくうれしい事ですし、ありがたいことだと思います。これからも大人になってもずっと自転車に乗り続けていてもらいたいです。
グリップとかワイヤーなどを色のついたカラーパーツなどに変えたりするだけで、自分だけのオリジナル自転車にすることができます。そうしたカスタマイズをすることで、乗りたい自転車になれば、愛着も湧き、自転車に乗ること自体が楽しくなると思います。