環境を測る環境計量証明
弊社は、大気汚染や水質汚濁などの公害が社会問題になり、公害への関心が高まっていた1971年に創業した会社です。当時は工場排水の分析から始まり、現在は水・大気・騒音・振動など様々な環境に係る分析測定を行っています。分析測定は計量法に基づき行われ、結果を数値化し公的に証明します。「環境計量証明」と呼ばれる事業です。ご利用になるお客様は、製造業や食品の加工業者、ホテルなどの様々な業種となります。
また、職場の安全を守る作業環境測定にも力を入れています。職場によっては有害物質を取り扱うこともあるため、法律が定める基準内に収まっているか、測定を通してモニタリングしています。例えば、大気の成分に有害な粉塵がどの程度含まれているかなどを測定しています。
最近では、保育園や学校の調理室などの衛生点検の実施に加えて、食品の検査装置の導入を予定しており、検査事業の拡大も考えています。取引先から「使用している大豆が遺伝子組み換えではない証明をしてほしい」や「食品中に異物が混入しているか調べてほしい」といった相談を受けることがあります。こういった検査には、食品の種類や品種が判別できる遺伝子検査が有効です。遺伝子レベルでの検査によって、異物がどういうものか判別できれば、異物混入防止対策が立て易くなります。従来から得意にしていた水質調査などに加えて、食品検査などの検査事業を幅広く展開することで、バリューチェーン全体を網羅した「ワンストップ検査サービス」をお客様にご提供できるように体制を強化しています。
社員を守る専門家
父が創業者であったこともあり、家が会社から近く、子供のころから会社を身近に感じていました。夜遅くまで会社から足音が聞こえてくることや、地道な作業に打ち込んでいる社員の姿が今でも記憶に残っています。また、時々遊んでくれた社員もいて、沢山の家族がいるような幼少期を過ごしました。そんな社員の技術者としての真摯な姿を見てきたこともあり、私もその想いに応えなければならないと感じて、中学生のころに環境を守る専門家である社員を守る専門家になろうと思うようになりました。大学や大学院では経営学を学び、いずれは会社を引き継ぎたいと考えていました。
そんな中、二代目社長の急逝により、2014年に急遽社長に就任しました。当時は財務状況が悪化していたこともあり、弊社は経営と財務の立て直しが急務でした。まずは社員の不安を取り除くことから始めました。経営計画や経営体制の説明を全社員に行うことや、できる限り小さなことも具体的に現況発信を行うことで、社員との距離を縮めました。取引先の皆様には、事業や技術は確実に維持し続けるという心づもりをしっかりと伝えました。当時は女性が経営者になることが珍しい業界でしたので、女性である私を取引先が受け入れてくれるかが一番心配でしたが、取引先はこれまでの実績を含めて自社を信用して取引していることを知り、その土台として社員の技術力を認めていただいていることがあると知りました。そのため、技術の維持や向上には力を入れ、設備・機器の投資や資格取得の促進に取り組みました。皆様の助けや支えもあり、今年で社長として11年目を迎えることができ、事業拡大に向けた新しい検査施設も2021年に建設することができました。
信頼されるための技術
分析測定には、方法が決められているものが多く、1つ1つを丁寧かつ正確にステップを進める必要があります。そうして作成された証明書や報告書には様々な専門知識や技術が込められています。時代の変化により分析測定を行う機器や手法が変わっても、信頼される正確な結果を出すため、技術力の維持や向上は最優先事項となります。
弊社の業務のほとんどは、それぞれ資格が必要となります。代表的なものでは環境計量士や作業環境測定士です。計量法に基づいた計測は、これらの資格がないと行えません。事業を続けていくためには有資格者の存在は欠かせません。弊社としては、資格に対する手当を拡充し、また資格を取りやすい環境整備に力を入れています。資格を取り、スキルが上がることで、様々な検査ニーズにも応えることができ、事業の拡大や検査品質の維持向上に役立っています。その成果もあり、2019年にはこれまでの技術を評価していただき「計量功労者知事表彰」を受けることができました。
立科から長野県の安心と安全をお届け
弊社は、職場や生活の安全を守るための水質・大気調査や食品の検査など、環境を測る技術をもって、長野県での暮らしを支えるお手伝いをしてきました。それは、日本百名山の蓼科山からの伏流水を引いた塩沢堰が弊社の脇を流れ、水田が広がる自然豊かな環境の中にあったからこそ、公害や環境問題へ取り組むことの重要性を感じ、技術を磨き続けてこられたのだと思います。
取り巻く環境は時代の流れとともに変わっており、例えば食品関係の衛生管理基準であるHACCP(ハサップ)や農業関係のJGAP(ジェーギャップ)で要求されるレベルは高くなってきています。こういった変化にも対応できるように、次世代の産業に必要となる「測る技術」を身につけ、新しい技術を提案し、支援できる総合研究検査機関を目指していくのが、私たちの夢です。
そのためには、社員がこの仕事に誇りを持ち、良い家庭を築き、家族とともに幸せを感じられる会社であり続け、測る技術と真摯に向き合っていければと思っています。
会社名 | 株式会社信濃公害研究所 |
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事業所 | 本社・検査センター:〒384-2305 長野県北佐久郡立科町大字芦田1835-1 (電話)0267-56-2189 長野事業所:〒381-0014 長野県長野市北尾張部765 相互第一ビル2階 (電話)026-214-2677 松本事業所:〒390-0861 長野県松本市蟻ヶ崎1-1-55 中村ビル1階 (電話)0263-36-3074 |
事業内容 | 環境計量証明事業 |
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